2018.10.22 配信
第681号 「川に生きる〜世界の河川事情〜」中日新聞社を推す

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第681号
2018.10.22発行
http://www.mag2.com/m/0000251633.html

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Contents
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1.「川に生きる〜世界の河川事情〜」中日新聞社を推す

2.ブラックアウト防止へ強制停電量拡大…検証委案

3.『 なぜ北海道は停電したのか? 〜送電線網(グリッド)の問題だから、
  「自然エネ」でも「原発」でも解決しない〜 』


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□◆ 田中 優 より ◇■□


『 「川に生きる〜世界の河川事情〜」中日新聞社を推す 』


 ぼくの親しい友人である新村安雄さんが初めて本を出した。新村さんと知り合
ったのは20年以上前のことだ。ぼくの記憶では、新村さんよりもそのお連れ合い
だった森野康子さんの方が前だった気がする。その森野さんは残念ながらその後
に他界してしまったが。

 その彼女の葬式のときに、新村さんは焼き場に集まった人たちに、「森野は本
当に頑張って生きたんだ、だからみんなで拍手して彼女を送ろうじゃないか」と
言って、みんなで拍手したという。ぼくはその場に居なかったのだが、その話を
新村さんらしいと思って読んだ覚えがある。

 新村さんはそれからだいぶ経ってから今の彼女と結婚して、幸せに暮らしてい
ることをうれしく思う。その彼女とも30年近く前に知り合っていたから不思議な
縁だと思う。その新村さんはあまり知られていない人だから、ちょっとぼくなり
に紹介してみたいと思う。


 新村さんはまず何よりも声のでかい人だ。全然目立とうとする人ではないのに
声がでかい。いつも腹から声を出すせいだろう。そのせいもあってなんとなく偉
そうに見える。たぶん秘密の話などできない人だろう。そのせいかウソはつけな
い人だ。そこが好きだし、信用できる友人なのだ。その彼が本を書いた。

 「川に生きる」というタイトルだが、そう思って彼のフェイスブックの写真を
見たら、魚の写真とそれにまつわる話ががやたらと多い。彼は子どものように魚
を愛しているのだと思う。

 ところがその魚たちは追い詰められて、どんどん居場所を奪われて絶滅させら
れている。それがこの本を書いた動機なのかもしれない。彼の愛していた森野さ
んが亡くなってしまったように、彼は愛するものを失い続けている。その本を読
んで、なんだか川に生きていた者への想い、彼の悲しみの原因に触れたように思
えるのだ。

 しかも彼は体も大きい。その彼と初めて会ったはずのわが娘は、会うなり肩に
乗り、大きな図体によじ登ろうとしていた。警戒心もなく。


 彼は以前から文章がうまかった。というよりも心根が優しくて、対象への思い
が溢れているのだ。彼の文章を盗用する人すらいた。図体と声からは想像できない
ほど良い文章を書くのだ。それは「石木ダム」(ほたるの川のまもりびと)という
映画のパンフレットにも使われた。ぼくが映画の宣伝と供給をする会社に相談され
たときに、新村さんが一番いと紹介したからだ。そのパンフレットの記事は好評だ
そうだ。


 彼はウソをつかないし、興味が湧いたことには努力を惜しまない。その彼がやっ
と本を出せたことをうれしく思う。彼に紹介された友人と、長良川上流の板取川に
予定されていた揚水発電ダムを止めることができた。板取川の友人は長屋さんとい
う。といってもかつての板取村(今は関市に編入されている)では集落の半数近く
が、長屋姓なのだが。その長屋姓の友人たちが頑張ってくれたおかげなのだが。
私たちがしたのはその川の美しさを素直に感嘆していただけだが。しかしそのこと
が彼らを力づけたのだということになろうか。


 彼の文章には愛する長良川が河口堰によって堰き止められて、生態系が壊されて
いく様子が描かれている。もうこんなことはやめさせようと思う。川を壊すことは、
私たち自身の足元を掘り壊すことなのだ。そのことを思い起こすのに格好の書であ
ると思う。その彼は学生時代に青ナイルと呼ばれるナイル川支流に研究に行ってい
たし、その後はメコン川に出掛け続けていた。

 ある時、メコン川が増水して彼の泊まっていた川に浮かぶコテージごと流された
話も本に書かれている。隣に宿泊していたイギリス人たちのコテージを滝に落ちる
寸前に救った話もある。なんというか、彼は無冠のインディージョーンズのような
人でもある。彼はわが娘のために、ライフジャケットをプレゼントしてくれた。
彼に頼めば大概のことは(川に関係することなら)解決してくれるのだ。


 彼のクルマの屋根の上にはテントが乗せてある。彼はその車で全国を走り、その
場で泊っていく。下に寝るとイノシシや動物に囲まれることもあるので、クルマの
上の方が安心なのだという。彼のフェイスブックにはもう一つ、よくサッポロの黒
ラベルが登場する。ぼくも同じものが好きなので、彼がいると分けてもらって飲ん
でいる。その彼だけには見送られたくないし、見送りたくもない。その彼もぼくも
還暦を過ぎたことだし、少しは安心してゆっくり過ごしたい。

 もうこれ以上のダム建設は止めてもらい、これからは造ってしまったダムを解体
してもらいたい。


 川は人間のためのものではないのだから、たくさんの生き物と共有して暮らせる
ようにしたいと思う。長良川が再びたくさんの流域の人たちの支える流れになった
ら、そこで乾杯したいと思う。彼が潜って撮影するリアルタイムのアユの産卵の動
画でも見ながら。新村さんの書いたこの本を読んだら、アユの産卵時のリアルタイ
ムの動画を観に長良川に集まろう。とっておきのアユの塩焼きを食べながら。



(川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)


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『 川に生きる 世界の河川事情 』

新村安雄 著   
税込1,404円(税抜き1,300円)
192ページ
2018/9/14発行


中日新聞・東京新聞で好評連載(2015年4月〜18年5月)されたコラム
「川に生きる」を書籍化。

さまざまな生き物がすむ川から見た、自然と人間との関係を鋭い筆致で描きます。

西日本豪雨災害などから、川と人との共存が注目されている今、世界の河川を
めぐってきた著者が、長良川をはじめ、世界や日本の河川で何が起きているかを
紹介します。

書籍化にあたり、長良川・川下り紀行も掲載。
カヌーイスト・野田知佑氏も推薦を寄せています。

                

<目次> 

一章 長良川に暮らす

    川との決め事/川ガキとミズガキ/鵜飼屋に暮らす

    鵜飼屋の母/川を繼ぐもの/落ちアユの季節 瀬張り網漁

    もう一つの長良川鵜飼/魚は旅をする/川漁師の矜持

    カニの通り道/流れない水面/ウナギの寝床

    海に向かう魚/川漁師のワザ

二章 長良川河口堰が変えたもの

    幻の大マス/若くてばかで、よそ者で/潮のポンプ

    大アユの消えたわけ/開いている河口堰/幻の干潟

    追加された魚道/よみがえる「マウンド」/河口堰と津波

    ウナギと河口堰/見張り塔からずっと/川を耕す

    マジックアワー/観察する力/河口堰が変えたアユ

    繋ぐ命

三章 川の未来

    亜細亜の宝/川の観光価値/長良川から世界へ

    川上り駅伝大会/激流下り世界選手権/最後の流れを漕ぎ抜く

    日本一のアユ/命の水のアユ 琵琶湖/京の川漁師

    京都で鷺知らず/トキの落とし羽根/シーボルトとアユモドキ

    モンスーンの賜物/ニホンウナギ発祥の川/ダムに消えるアサリ

    消える大砂丘/ダムと砂丘/森の香りのアユ

    アマゴの宝庫遠く/シーボルトの川/ダムの未来

    砂の行方/川の恵みを取り戻す/よみがえる伝統工法

    イワナの生きざま 産卵場復元/うな丼の行方/河川法とヤナギ

    始まりから終わりまで 流域を守る

四章 川と命と

    開かれたゲート もう一つの長良川/母なるメコン/メコンの魔法

    流されてメコン/メコン祈りの儀式/虫食いの系譜

    ラオス式魚焼き/消えたメコンオオナマズ/存在の証し

    最後の魚を拾う/南の島のアユ/リュウキュウアユフォーラム

    「世界自然遺産」の島/淵の名は/亜熱帯最後の自然海岸

    森と川の生態学者/釣り人の見た夢/旅人の選んだ川

    アユの生まれるところ/津波の記憶/川に行こう

    伝える川の知恵/「出会い」が守った川

「全長良川流下行」記

終わりに

                

<新村安雄・にいむらやすお>

フォトエコロジスト、環境コンサルタント、リバーリバイバル研究所主宰。
1954年、静岡県浜松市生まれ。
長良川、琵琶湖、奄美大島、メコンなど、生き物と人間のかかわりという視点から
撮影と映像製作を行っている。
長良川うかいミュージアム、滋賀県立琵琶湖博物館、世界淡水魚園水族館アクア・
トトぎふなどの企画展示、映像提供。


ブログ 「リバーリバイバル研究所」 https://blog.goo.ne.jp/niimuray



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●中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/nbook/shoseki/chu2018091401.html

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◆ブラックアウト防止へ強制停電量拡大…検証委案 ◆

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電気は「発電ー送電ー配電」があって届きます。

北海道はその送電が脆弱で、合わせて柔軟性ある発電所が少なかったんです。
「小さいループの送電網」があれば、そこだけ切り離せば済んだはずだったのに。


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「再発防止へ強制停電枠拡充を=復旧、1回目は失敗―北海道停電で検証委」
 hhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181009-00000074-jij-soci  より


北海道地震による大規模停電(ブラックアウト)の検証を進めている電力広域的運営
推進機関(東京)の第三者委員会は9日、再発防止に向け、大規模停電を避ける最終
手段とされる強制停電枠の上限拡充を提言する方針を固めた。



▼「ブラックアウト防止へ強制停電量拡大…検証委案」
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181021-00050099-yom-bus_all  より


北海道地震で道内のほぼ全域が停電した「ブラックアウト」について、国の認可法人
「電力広域的運営推進機関」の検証委員会が取りまとめた中間報告の原案が21日、
判明した。再発防止策として、北海道電力に対し、電力需給のバランスを回復する
ために行う強制停電の枠を約35万キロ・ワット増やす必要があると提言する。
苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所への過度な依存を避けるため、必要に応じ
て出力を一部抑制し、災害への備えを万全にすることも求める。
 23日の検証委で中間報告を正式にまとめ、年内にも最終報告を公表する。

 電力は需要(消費量)と供給(発電量)のバランスが崩れると電力の周波数が乱れ、
ブラックアウトにつながる。



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◆こちらもご参考ください

『 なぜ北海道は停電したのか?
〜送電線網(グリッド)の問題だから、「自然エネ」でも「原発」でも解決しない〜 』 ◆

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2018.9.30発行号の田中優有料・活動支援版メルマガは、

『 なぜ北海道は停電したのか?

〜送電線網(グリッド)の問題だから、「自然エネ」でも「原発」でも解決しない〜 』 です。



今回の北海道のブラックアウトの原因は、“発電”が問題ではありませんでした!
また、地震とCCS実験(二酸化炭素を地中深くに埋没する実験)に大きな関係が
あるとの話が・・。


こちらよりこの原稿(メルマガバックナンバー2018年9月号)をご購入できます
https://www.mag2.com/archives/0001363131/2018/9


2018年9月号として、こちらのバックナンバーも合わせてお読み頂けます。

2018/09/15 第170号:「なぜメガソーラーに反対するのか(下)」



(メルマガ本文より)

 このブラックアウトの原因は、地震で厚真火力発電所が止まり、送電線を流れ
る電気の周波数が低下したためだ。

 電気を三つの分野に分けて説明すると、電気は 「発電・送電・配電」 部門に
分けて説明される。今回のブラックアウトが起きたのは、この「送電部門」なの
だ。


 だから「原発がどうの」「自然エネルギーがどうの」などと発電部門で説明す
るのは間違っている。そうした説明では「泊原発が稼働していれば大丈夫だった」
とか、「自然エネルギーがもっと活用されていれば」とか言うが、どんなに発電し
ていたとしても送電線がシャッタアウトすれば流れないのは当たり前だ。


(中略)


 そこで調べていって恐ろしい現実の符号に気が付いた。今回の原因は地震だが、
地球温暖化対策で気にしているのは二酸化炭素の対策の話に関連する。二酸化炭
素の対策として、世界では地下深くに埋めてしまうという対策(CCSという)
が行わている。そしてそこでは 世界各地で起こらないはずの地域でも地震が発生
している。

(中略)

 道内全体がブラックアウトしたのは、道内全体で電源が唯一というような仕組
みを作っていたせいだった。道内で札幌管内、函館管内、道南。道北というよう
なブロックごとのグリッドごとの運用を進めていたならば、その中の一ブロック
の停電で済んでいただろう。

 多くの人の説では「グリッドの広域化・強化と発電所の強化」が語られている
が、逆行する方向ではないのか。北海道電力ではこれを奇禍として、揚水発電の
運用や発電所の増設、原発再稼働の機会としようとしているように見える。

 しかしグリッドが改められないならば、ブラックアウトは再度の現実となるだ
ろう。必要なのは巨大化ではなく、分散化だ。




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・第171号「なぜ北海道は停電したのか?
 〜送電線網(グリッド)の問題だから、自然エネでも原発でも解決しない」(9/30号)

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