2017.10.31 配信
第620号 『 人口減少に抗する社会を 』

□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□

田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第620号
2017.10.31発行
http://www.mag2.com/m/0000251633.html

■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□


Contents
…………………………………………………………………………………

1. 『 人口減少に抗する社会を 』

2.動画「天然住宅short movie 森を守る編」インタビュー書き起こし

3.薬価を巡る攻防 - 「途上国の薬局」インドはいま

4. 『 fragile(上・下)
 ― 主な意味(壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない)―』

…………………………………………………………………………………


□◆ 田中 優 より ◇■□■□


『 人口減少に抗する社会を 』


■日本がなくなる?

 人々の心がざわついている気がする。歴史上何度も「末法思想」が唱えられ、
今の世代が最後の世代とばかりに世間はざわついた。その新しいバージョンが、
今回の「国立社会保障・人口問題研究所」の発表した「日本の将来推計人口」
ではないか。人口が減少していくのは確かだが、この推計は2065年までの推計
だが、そのままのトレンドが続くとすれば、西暦3000年には日本の人口が2000
人になってしまうのだ。


 これを受けて地方はインフラを維持するのが困難になり、人々は地方都市に
移り、やがては都市部だけに人が集まるようになると予測する人もいる。もし
これが事実になるとしたら末法だ。もし日本の地方に住んでいたら、イノシシ
に会うより人間に出会う方が難しくなる。購買力を失った人々は自給せざるを
得ず、生産力ももちろん失う。人間は日本の片隅にまとまって住まざるを得な
くなる。特に地方は絶望的だ。そこに住み続けることもできなくなり、この日
本の文化も失われてしまう。


 この予測は誤っていると思う。それは人口曲線などを、ただ今のトレンドに
従って直線的に伸ばしただけのもので、諸条件の変化を無視していると思うか
らだ。もちろん統計そのものにもエクスキューズは書かれている。いわく「た
だし将来推計人口とは、決して確定した運命を示したものではない。それはこ
の社会がこれまで進んで来た方向に進み続けたときに帰結される人口の姿であ
り、将来推計人口とは真に実現したい社会と現状との距離を測るための測距儀
にあたる。どちらの方向に進むかはわれわれに託されているのである」と。


 これを将来予測のために参考にしてほしいというが、参考にしたら「末法思
想」になってしまうのだ。参考にするとしたら「今のままではいけない」とい
う方向に参考にすべきではないか。国の政策が以下に誤っていて、そのままに
したらどんな未来が来てしまうのかと読むべきではないか。
 これを今進展しつつある事態から考えてみよう。



■別な未来を考える


 かつての電話料金を思い起こしてほしい。かつてぼく自身の姉が沖縄に住んで
いて、そこに電話することが多かった。電話料が安い深夜に電話していたが、一
回の長電話で一万円以上かかっていた。もう忘れてしまったが、これが少し前ま
での現実だった。電話代が高すぎて、電話するのを月一回にしていた。しかしも
し今なら、スカイプを使った電話にしたりメールにしたり、携帯の使い放題契約
にしていただろう。気づかぬうちに大きく変わっているのだ。同様に宅配も発達
した。今なら重くない負担で送ることもできる。


 そして大きく変わったのはもう一つ、インターネットの販売が利用できるよう
になったことだ。家電などの量販店で製品を吟味したとしても、かつてのように
そこで買わずにインターネットで商品価格を調べて、注文するようになった。
その宅配料金も安くなった。


 そのおかげで商品販売の形も変わりつつある。先日ニュースで、玩具量販店の
「トイザらス」が破産申請したと報道された。いわく旗艦店のニューヨーク店の
地代などの負担が大きすぎるためと言われる。このことは時代の変化を大きく示
すことではないか。

 我が家のある岡山の郡部で、うきく経営している家具屋さんとゲーム屋さんが
ある。なんと家具屋のインターネット販売比率は八割、ゲーム屋では99%だとい
う。そこでの地代などは大きな負担ではない。どちらが持続性のある販売方法か
は明らかではないか。こうして見たときに、地方がイノシシしか会わない場所に
なるとは思えないのだ。


 もう一つある。知っての通り、我が家は水も電気も自給している。水道は法律
から改正し、民営化を目指している。水道管の更新が1%に満たず、料金の値上げ
ができずに管路の更新すらできなくなるという事態に、人口減少が重なって民営
化を進めるのだ。しかし残念ながら世界のトレンドは「再公営化」になっている。

 水道の料金が高くなる上、水質悪化を招いたためだ。料金を値上げしたとして
も自給していれば困ることはない。電気も同様だ。電気も送電線の劣化が進んで
いる。2020年に電力自由化がさらに進展して送電線網が自由化されることが決ま
り、送電線網に費用を掛けても回収できないことから、電力会社は整備に熱心で
なくなったためだ。これもまた値上がりが予想される。


 インフラが危うくなっている一方で、自給できる可能性が高まっているのだ。
新聞も取らなくなった。必要な情報は自分から取りに行けばいいし、一般のニュ
ースならと゜どこのネットでも公開している。わざわざ新聞を届けてもらわなく
ても良い時代になった。


 自動車は世界で電気自動車に変わろうとしている。そのときの電源は自然エネ
ルギーからの電気に変わろうとしている。発電効率が4割しかない既存の電力会
社の電気を使ったのでは、地球温暖化対策にならないからだ。我が家もいずれは
自宅で使った電気を使って走らせようと思っている。

 大事なのは変更するためのコストだ。その費用も技術の進展とともに安くなり
つつある。インフラに依存しなくても得られるとき、なぜわざわざ都市や地方都
市に移住しなければならないのか。



■見方を変えよう


 こうした未来の可能性を見るとき、地方が崩壊して無人化するという想定が間
違っていることがわかる。地方が有利だが、今までのように都会化させること地
域おこしでは解決しない。地域は地域のメリットを最大に活かすことが地域おこ
しになるのだ。

 そして人口減少の大きな要因になっているのは、暮らせるだけのサラリーが得
られなくなったことだ。でも地方ではカネが十分に稼げなくても暮らせる可能性
が高い。その可能性がさらに広がったとき、子どもを持たない決意をするだろう
か。現実に311事故からあと、岡山県に移住してくる人は多い。我が地域は人口
減少が緩和されたほどだ。そしてその移住者の人たちは子どもをもうけることが
多い。

 今までの濁った見方を捨て、新たな可能性に向けて進むべき時なのではないか
と思う。



(川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆動画「天然住宅short movie 森を守る編」インタビュー書き起こし◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


(Facebookでの)再生回数が1万5千回!
「天然住宅short movie 森を守る編」(再生時間6分14秒)の
インタビュー書き起こしをしました!


田中優よりこの映像について

「天然住宅の森に関する部分の映像です。
今回のものは鎌仲監督の事務所(ぶんぶんフィルムズさん)で作ってもらったけど、
クォリティーが違うなぁ。
良い映像です。ぜひご覧ください。」


☆ぜひ動画でもご覧ください↓
https://www.youtube.com/watch?time_continue=41&v=UTwg-Lq5RUY



☆今週末11/3〜5はこの大場さんのところで
田中優と行く!伐採ツアーin栗駒 〜安心できる家づくりとハイブリッド林業〜
のツアーが開催されます!まだ受付中ですのでご興味のある方はぜひ♪
http://tennen.org/event/tour-2.html


--*--*-*--*--


大場さん

「家を建てる人たちって、最初から木のことを知ってですね、
家のこともわかって来るとは思わないんですね。

 だから僕らはやっぱりプロとして、僕らの木材を使って住みたいというお客さんにも
木のこと山のことを知ってほしいですし、ぜひ自分の家の木がどういうところに生えて
いたのかっていうのを知ってもらうだけで、100年続く“住み継ぐ家”、次の孫の世代
まで住み継いでもらえるような家づくりができるんじゃないかと思っています。

 木の家に住みたいというお客さんには、本当の木を届けたいんですよ。
 接着剤をボンボン使った合板とかじゃなくて、本当の植物としての木の家を提供でき
ればなと思っています。」

---------

田中優

「日本の場合には森に手入れが必要で間伐する必要があるんですね。
ところが従来の間伐方法だと、倒れてくる木が危なくってそのせいで素人が
できなかったんです。

 それを皮むき間伐というかたちで皮をむいてしまうことで葉っぱに栄養を与えなくして、
立ち枯れ状態にしてしまうという方法を知って、じゃあその皮むき間伐をやってみようか
とここの森を使わせてもらって皮むき間伐を始めたわけです。」

---------

大場さん

「牛の場合はですね、下草刈りしてここの場合二度刈りというぐらい草が生えて
くるんですね。一回下草刈りをしてそこに牛、馬を放すと二度刈りが要らないん
ですね。そこまでキレイに食べてくれますね。」

---------

田中優

「山の中に重たい車を入れない、高性能林業機械を山の中に入れさせなければ、
林道が細くて済むんですよ。林道が細いと山が壊れないんですね。

 じゃあ細かいところに入っていくのどうするか?そう考えたときに、
馬に運んでもらうという技術がもともと日本にあって、馬搬(ばはん)と言うんですけど、
その馬搬を入れていったら上手くいくんじゃないのということで馬を入れたわけですね。

 それらのものが入ってくることで共生した林業ができる、ハイブリッド林業とも
呼んでいるけれども、動物たちと共生しながら森を守っていくことが可能なんだと
見えてきたんです。」

---------


―日本の3分の2は森林  でも自給率はわずか30%弱

 天然住宅は100%国産無垢材を使用―

---------

大場さん

「要はやっぱり森を守りたいというのがあるんですね。

 やっぱり皆伐するっていう方向は森を無くすっていうことだと思うんですよね。
またゼロから森を作ろうっていう。

 そうじゃなくて森はやっぱり守っていく、森をずっと100年も200年も森のままで
いさせるっていうことを今僕らは目標にしています。

 ほとんどは建築材としてまず使います。建築材にならない部分はチップ材になるか、
林地残材については薪ですね。ボイラー用の薪、あとは家庭用のストーブの薪になります。
 工場から出たおがくずとかプレナーくずとかはペレットとして利用しています。
 ほぼここの場合だと100%近くが伐採した木は何らかのかたちで利用されています。

 昔は素材業者から材木を買ってそれを製材して大量に同じものを製材して、
東京の市場とか商社さんに出してたんですけど、今は工務店さんと直接のお付き合い
なので、一棟一棟、家一棟まるごとの材料を全部準備してお客様のためだけに
そろえるというやりかたに変わったんです。

 山は今僕らが切る木もどこに使われるか分かって切っていますし、これは家具に
なるよとかこれは天然住宅さんに行くよとか天然住宅さんの場合はお客さんを
どんどんどんどんここに送ってくれるんで、一緒に木を切って家の話をして僕らの
ことを知ってもらってというかたちに、そういうやり方に変わった、前までは顔の
見えないお仕事をしていたけど、今は顔の見える仕事に変わりました。」
(文責 田中優スタッフ)


---------

―顔の見える安心の家づくり―


―森と家族を守る―


---------


「動画「天然住宅short movie 森を守る編」ができました!」
http://tanakayu.blogspot.jp/2017/02/short-movie.html


▼天然住宅
 http://tennen.org/


▼鎌仲ひとみ監督の事務所(ぶんぶんフィルムズ)
 http://kamanaka.com/



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆薬価を巡る攻防 - 「途上国の薬局」インドはいま◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


田中優より

「特許権と医療の問題、どちらが優先すべきだろうか。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「薬価を巡る攻防 - 「途上国の薬局」インドはいま」
 http://globe.asahi.com/feature/article/2017083000007.html?page=3


「途上国の薬局」と呼ばれる国がある。インドだ。
安価なジェネリック薬(後発薬)を開発し、貧しいアフリカの国々などに輸出。
エイズなどに苦しむ途上国の多くの人命を救ってきた。

「私たちは、薬の値段がいかに人の命を左右するか、身をもって知っている」。
インドの首都ニューデリーのNGOで働くルーン・ガンテ(51)は、そう言う。
1999年に患者団体「デリーHIV(エイズウイルス)陽性者ネットワーク」を創設。
薬の価格の引き下げなど、治療環境の改善を求めてきた。
 

ガンテがHIVに感染していると診断されたのは、97年のこと。
だが、先進国の大手製薬会社が売っていた抗HIV薬は、年間1万ドル(約110万円)もした。
当時はインドの世帯の9割以上が、年収5000ドル(約55万円)以下。
ガンテを含む多くの人にとって、1万ドルもする薬は存在しないも同然だった。
「医者も『いい物を食べ、運動して、祈れ』と言うだけですよ」。
エイズを発症し、なすすべなく死んでいく友人も何人もいた。


だが、その状況は劇的に変わる。
2001年、インドの製薬大手シプラが年間350ドル(約3万8500円)の薬を発売。
03年にはガンテも自費で投薬を始められた。
「分かりますか? 薬の値段で、世界が変わったんです」・・・





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆『 fragile(上・下)
 ― 主な意味(壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない)―』◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【田中優の子育て論】

今月(2017.10月)発行しました有料・活動支援版メルマガ 田中優の未来レポートは、
 
『 fragile(上・下)
― 主な意味(壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない)―』

です。



(本文より)
 
「ぼくの子どもたちの今を知っている人から、
ときどき「子育て術」を聞かれることがある。

わざわざ言うほどのことをしているつもりはないから、
なんだか正面から答えることはしてこなかった。

でも今回、たまたま「ギャンブル依存症」の方の手記を読んでいて、
ちょっと思い出したことがあったので書いてみることにした。 ・・・」
 


なかなか他でも書かない田中優の子育て論
かつてケースワーカーとして働いていた時に出会った人々
現代の子どもを蝕むもの

などが書かれています。
 


本日(10/31)中のご登録でこの上・下(10/15、10/30号)が無料でお読み頂けます。

ご興味のある方はこちらよりお願いします。
http://www.mag2.com/m/0001363131.html




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【田中優 有料・活動支援版メルマガのご案内】


【NEW】・第149号「fragile(下) 主な意味(壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない)」(10/30号)

・第148号「fragile(上) 主な意味(壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない)」(10/15号)

・第147号「大きい、小さい」を判断して新たな社会の仕組みを(下)(9/30号)

・第146号「大きい、小さい」を判断して新たな電気の仕組みを(上)(9/15号)

・第145号「セルフインフラ」が未来をポジティブに変える(8/30号)



田中優ならではの社会の新しい仕組みづくりのヒントや、
国内外を取材したお話をご紹介します。

頂いた購読料は、次の社会を作るための活動資金にさせて頂きます。
ぜひメルマガ購読で、田中優の活動をご支援ください。


◆◇田中優 有料・活動支援版メルマガ「田中優の未来レポート」◇◆

登録初月は無料、月2回発行、540円/月、
バックナンバーのみでも購読可能です
⇒ http://www.mag2.com/m/0001363131.html


☆まぐまぐ&クレジットカード払いではなく、
直接弊社口座へお支払頂くご購読方法もあります。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【書籍】

<<2017.1.9発売>>
■文庫本「幸せを届けるボランティア不幸を招くボランティア」
(河出文庫)
http://tanakayu.blogspot.com/2017/01/blog-post_26.html


■「未来のあたりまえシリーズ1
ー電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへー」
(合同出版)
http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=401


■「放射能下の日本で暮らすには? 食の安全対策から、がれき処理問題まで」
(筑摩書房)
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480878663/


■「子どもたちの未来を創るエネルギー」(子どもの未来社)
http://www.ab.auone-net.jp/~co-mirai/miraienergy.html


★その他これまでの書籍一覧はこちらより
http://www.tanakayu.com/bookslist.php



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●講演会・メディア・書籍・動画などの情報はこちらへ
田中優公式HP http://www.tanakayu.com/

● facebook 「田中優コミュニティ」 現在9,812人!
「いいね」をぜひ押してください☆ 最新情報を随時アップしております。
http://www.facebook.com/tanakayupage

● twitter 「田中優スタッフ @_tanakayu 」
https://twitter.com/_tanakayu

●ブログ 田中優の‘持続する志’ http://tanakayu.blogspot.jp/

●田中優 有料・活動支援版メルマガ「田中優の未来レポート」
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
活動支援金 540円/月(登録初月は無料)活動を応援くだされば嬉しいです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□ 発行者、講演・取材の窓口 ■□
合同会社OFFICE YU 担当渡辺
MAIL officeyu2011@ybb.ne.jp
◎田中優の“持続する志”
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000251633/index.html