2017.05.15 配信
第589号 『 一問一答〜原爆で除染の必要はあったの?〜 』

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第589号
2017.5.15発行
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※このメルマガは転送転載、大歓迎です。


Contents
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1.『 一問一答〜原爆で除染の必要はあったの?〜 』
  (田中優有料・活動支援版メルマガ バックナンバー)

2.JR東海を儲けさせたくない

3. 小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」

4. 田中優スタッフおすすめバックナンバー
    『 商品が創る革命 』

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2011年12月に開始し、現在138号まで発行してきました
「田中優有料&活動支援版メルマガ "未来レポート"」の
バックナンバー(主に文章のみ)を公開しています。


今回は、2012.11.30発行 第28号
『 一問一答〜原爆で除染の必要はあったの?〜 』です。

どうぞ"お試し読み"ください。


本日(2017.5.15)発行しました最新版
『「主要農作物種子法廃止」にどう対処するか(中)』や、
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□◆ 田中 優 より ◇■□■□


『 一問一答〜原爆で除染の必要はあったの?〜 』


■「メルマガ一問一答をきっかけに 」

 
「メルマガ一問一答」に質問いただき、ありがとうございます。
 自分だけで書いていると、どうしてもマニアの域に入っていきがちなので、
とてもありがたいです。
「京都在住一メルマガ購読者」さん、どうもありがとうございます。


 さて、まず質問をご紹介しましょう。


「福島原発事故の影響で、日本は国土の3%を住めない所としてしまった、と
聞きました。米国が落とした広島・長崎の原爆ではそういう「住めない場所」は
生じなかったのですか。福島での除染活動の話はよく聞きます。

 しかし、原爆投下によって土地が放射能汚染を受け、除染の必要があったなどと
いう話これまで聞いたことがありませんが、当時の人たちはどうしたのでしょうか」


というものです。



■<本当に国土の3%が汚染されたのか>

 このデータは、図のように朝日新聞社が2011年10月11日の記事で集計したもの
です。ちなみにぼくが説明するときは、「福島原発事故の影響で、日本は国土の
3%を住めない所としてしまった」ではなく「住むのに適さない場所にしてしま
った」と話すようにしています。

(図はバックナンバーにて公開中)


 新聞記事いわく、「東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質によ
る被曝線量が年1ミリシーベルト以上の地域は、8都県で約1万3千平方キロ
(日本の面積の約3%)に及ぶ」そうです。しかし今回の汚染のうち、比較的長
く汚染を続けるセシウムで見てみると、半減期(放射性物質の半分が放射線を出
して次の元素に移行する時間)が30年のセシウム137が半分と、残り半分は半減期
が2年のセシウム134になっています。


 すると2年後の2013年3月11日には、セシウム137はほとんど変わらないが、セ
シウム134は半分に減っていることになります。したがってその頃には当初の汚染
の3/4程度に減っていることになります。


 これをちょっとグラフで示してみましょう。

(グラフはバックナンバーにて公開中)

 半減期が2年のセシウム134は、20年でほぼなくなるので急激に落ちるのですが、
その後の汚染は半減期30年のセシウム137中心になりますから、減っていかなくな
ります。半減期はその10倍すると、1/1000以下になるので、大まかに半減期の10倍
で影響がほぼなくなると覚えるのが簡単です。


 環境省は「追加被曝線量が年間1ミリシーベルト以上ある地域を国の責任で除染
する」としているのですが、実際にはせっかく除染しても他から放射能が戻ってき
てしまうので、効果に疑問があります。やはり高汚染の地域は「居住不能」として
除染せず、そのまま時間が経つのを待ち続けるべきです。住む人のリスクが高すぎ
ることもありますし、費用も莫大にかかって、しかも効果が望めないからです。


 しかし現状ではすでに、「除染利権」とでも呼ぶべき利権が発生してしまってい
ます。大手ゼネコンは「これから<少なくとも20年間は仕事に困ることはない」と
言っていたりします。ぼくの友人は今回の汚染地の出身で、必死に調べて実験して
除染方法を開発したのですが、言われたのは「除染しなくていいんだよ、仕事にな
るんだから」という言葉でした。

 実際に除染しているのは0.23シーベルト/時(以下同じ)の地域だけです。
元の数値を0.04シーベルトとすると、0.19シーベルトの増加ですから、年間では
1.664ミリシーベルトになるのですが、在宅時は被曝量が少ないなどと計算するこ
とでこの値にしているようです。



■<広島・長崎の原爆汚染>

 さて、それでは質問への回答の核心に入りましょう。

「米国が落とした広島・長崎の原爆ではそういう「住めない場所」は生じなかっ
たのですか。福島での除染活動の話はよく聞きます。しかし、原爆投下によって
土地が放射能汚染を受け、除染の必要があったなどという話はこれまで聞いたこ
とがありませんが、当時の人たちはどうしたのでしょうか」


 「なぜ広島・長崎の原爆ではそういう「住めない場所」は生じなかったのか」
の答えは「枕崎台風」です。原爆が投下されてから39〜41日後に、巨大な台風が
長崎・広島の原爆被曝地域を襲ったのです。


 その効果について、以下に秋月辰一郎著『長崎原爆記 被爆医師の証言』の話
を紹介したHPがあるので、一部を抜粋して紹介しましょう。

http://btrabo.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-55ba.html


〜引用ここから〜

2011年5月27日(金)

 しかし、ここに雨と放射能の関係で全く違った事例がある。それは長崎原爆後の
雨である。

秋月辰一郎著『長崎原爆記 被爆医師の証言』(平和文庫)(単行本- 2010/12)に、
8月9日の原爆投下後の二度の大雨のことが記載されている。秋月辰一郎は、長崎
原爆で被爆しながら、一人留まり救護所で大勢の被曝患者の手当を続けた医師である。

その著書の中で、原爆後の二度の雨を「救いの雨」と呼んでいる。



◆なぜ救いの雨だったか

 その雨は、大変な豪雨であったという。
 一度目の雨は、九月二日から三日にかけて降り続いた。この二日間の雨量は長
崎地方には稀有なものだった。測候所では雨量三百ミリ以上を記録し、長崎地方一
帯を水びたしにし、被災者を追い打ちした。

 二度目の雨は、歴史的な大型台風「枕崎台風」の来襲であった。長崎地方は、
猛烈な暴風雨に見舞われた。この台風は、九州南端・枕崎に上陸し、九州を南から
北に縦断し、山口県と広島県の境を駆け抜けて日本海に去った。

 秋月医師は、「天主の試練もひどすぎる。もういい加減にしてくれ」心の中で叫
んだという。

 しかし、台風通過後に、秋月医師は次のように述べている。

 「不思議なものである。私は他の被爆者たちと台風一過、秋風の中に立った。秋の
陽に衣服を乾燥させながら、なにか気持ちがすがすがしかった。これはさきの九月
二日の豪雨の後に経験したと同じものであった。いやそれ以上のさわやかさだった。」

 当時ガイガ-測定器など持たない秋月医師であったから、地上の放射能を測定し
て、台風前後の放射能を比較することはできなかった。しかし、この台風を境に
して、急に病院付近の死亡者数が減少したという。 
秋月医師は、「私をはじめ職員の悪心や咽吐、血便も回復した。頭髪も抜けなく
なった。」と述べている。


 後に秋月医師は述べている。「この枕崎台風こそ神風であった。次つぎと肉親
を奪い去る二次放射性物質、死の灰から被爆地の人びとを救ったのである。」
「被爆後四十日(枕崎台風来襲)にして被害はくいとめられた観があった。」

 当初、原爆の跡には、七十年間草木は生えない。まして人間は絶対に住めない
という噂が流れたという。これは、原爆実験が行われた米国のネバダ州やアリ
ゾナ州のような砂漠・荒野を想定したものと言われる。雨を考えなければ放射性
セシウムやストロンチウムなど(半減期が30年)は、70年以上高い放射線
を出し続けることになる。

 この台風後にぞくぞくと訪れた学術研究陣は、「地上の放射能は、西山に少量
残っている」と報告している。大部分の放射能は流れ去ったのである。


● 秋月辰一郎(あきづき・たついちろう)

1916年〜2005年。長崎市万才町生まれ。当時の浦上第一病院医長。
53年に聖フランシスコ病院医長、86年顧問。爆心地から1.8kmで被爆、
医師として被爆者の治療に当る一方、永年に渡り被爆者の証言の収集を行った。
吉川英治文学賞、ローマ法王庁の聖シルベステル勲章、他。
著書に長崎原爆記、死の同心円 他がある。

〜引用ここまで〜



■<台風の洗浄効果を悪用>


 この「台風後にぞくぞくと訪れた学術研究陣」は、大部分の放射能は流れ去っ
た後の状態を原爆の放射能影響としたのです。さらに日本での放射能影響調査は、
隠され否定され禁止されました。その後に続く米ソの対立と核開発競争の中で、
放射能の人体への影響は過小評価されることにつながっていきました。その第一
が<この台風に洗浄された後の値を利用して、原爆の影響としたのです。

 これを琉球大学理学部教授の矢ケ崎克馬先生は以下のように現しています。
「放射性降下物を無くした方法は、枕崎台風を利用したことです。広島では、
床上1m の大洪水の後に、長崎では1300mm の豪雨の後に測定した放射線強度を
用いて「始めから放射性の埃はこれだけしか無かった」(DS86)としました」

(図はバックナンバーにて公開中)


 放射能のチリがなかったということになっているのですから、それに比例して
原爆爆発時の放射性物質もなかったことにされました。流されてしまっています
から、爆心地から2キロより遠い場所に住む人たちは放射線を浴びていなかった
ことにされたのです。さらにチリがないのですから、放射能を体内に取り込むこと
で起きる「内部被曝」もなかったことにされました。

 その調査をしたのがアメリカの原爆傷害調査研究所(ABCC)で、被害の事実から
内部被曝を除いて統計処理したのです。これが現在の放射線の被曝基準に使われ
ています。


 その後にこのABCCの仕事は、日本国内の放射線影響研究所(放影研)に引き継が
れました。国内で放射能は問題ないと言っている御用学者のボスには、いつもこ
の放影研の人たちがいるのもそのせいです。

 このデータが、アメリカの国内委員会である防護委員会から発展したICRP
(国際放射線防護委員会)の基になりました。日本基準よりはずっと厳しい数値
を取っているICRPですが、そのデータはもともとのところに虚偽があるので
す。

 だから現実の被害は、国内で言われているものよりははるかに大きく、ICR
Pの数値よりももっと大きくなります。


 おそらくはアメリカのゴフマン博士の作った「ゴフマン値」を越えるのではな
いかと考えられます。ゴフマン博士はアメリカ政府の依頼を受けて「低レベルの
放射線の影響」を調査し、その結果が政府の意向に沿わなかったことから中止さ
せられた研究者です。


(グラフはバックナンバーにて公開中)

 このグラフの「1万人・ミリシーベルト」というのは、「一年間に1ミリシー
ベルトずつ1万人が被曝した場合」を示します。「10万人が0.1ミリシーベルト」
でも、「1000人が10ミリシーベル」でも被害者数は同じになります。その計算の
仕方を「人・ミリシーベルト」とするのです。


 たとえば日本では、今20ミリシーベルトも被曝量のある地域に人々が戻されて
いますが、それが1万人いた場合、「20万人・ミリシーベルト」となって、グラ
フの数字の20倍がガン死することになります。


 0歳の子どもは150人のガン死者数ですから、3000人が死ぬことになります。
ICRPで計算した場合は1万人当たり5人としていますから、100人がガン死
することになります。この小さく計算される「ICRPの基準」こそ、広島・
長崎の隠蔽されたデータによるものなのです。


 さらにこの隠蔽は、日本政府により「被爆者認定基準」に利用されました。
それに闘い続け、勝訴し続けた矢ケ崎先生は、こう述べています。


〜ここから引用〜

「被爆者認定基準」は本当の被曝実相を反映していません。多くの疾病に苦しむ
被爆者は「あなたは放射線には被曝していません」と切り捨てられ続けました。
原爆症認定集団訴訟では全ての判決で、内部被曝が認められましたが、ICRPに従
う(国や)多くの機関や「科学者」はこの結果を受け入れていないのが日本の悲劇
です。

 現に進行している福島原発による被曝の見方は大きく歪められています。被爆
者が味わった苦しみを「福島」で再現すべきではありません。

http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11322128194.html

〜ここまで引用〜


■<この程度の放射能汚染は経験済み?>


 しかし福島原発の放射能程度は、大気圏核実験がさかんに行われた1960年代に
経験済みだから、たいしたことはないという人もいます。しかしそんなことはあ
りません。

(グラフはバックナンバーにて公開中)

 これは気象研究所が作成した放射能の降った量のグラフです。確かに1960年前
半にかなり多い量の放射能が降ったことがわかります。しかしその後はずっと下
がっていたのですが、1986年のチェルノブイリのときに、突出して核実験の最大
時並の放射能が降っていたことがわかります。しかし今回の放射能の量は、1960
年代よりも2マスほど高いところに位置していますね。このグラフは対数グラフ
ですから、2マスは100倍を意味します。


 しかもここで調べられているのはセシウム137とストロンチウム90です。今回
の福島原発事故ではセシウム137とほぼ同量のセシウム134が放出されていますか
らその倍になります。

 つまり今回の放射能が降ったレベルは、大気圏核実験時の最大レベルの200倍
程度ということになります。だから未経験のレベルだと言えるのです。



■<政府のプロパガンダを信じないで>


 日本が経験した原爆被曝のときには、台風が放射能を洗い流していたのです。
だから特に除染する必要もなかったんですね。しかも当時は放射能測定器もあり
ませんでした。だから秋月医師は体感で感じていたわけです。放射能は感じるこ
とができませんから、自分の体の反応のほうを感じていたのでしょう。

 ところが福島原発は、台風がひどく襲う地域ではありませんでした。だから汚
染がそのままなわけです。もっとも原発には蓋がない状態ですから、台風が来た
ら何が起きるかわかりませんから、幸いするとばかりは言えませんが。


 そしてもうひとつ、このことが原爆被害の隠蔽に使われたのです。そのために
国内の多くの被爆者が認定を受けられず、苦しみを強いられたのです。その後、
この隠蔽されたデータが、世界の放射能の安全(正しくは受忍)基準に使われて
いきました。そう、今言われている被害のレベルは、現実のものより桁違いに過
小評価されていることになります。


 少なくとも国の言うことよりは、はるかにちゃんと対策する必要がありますね。



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◆JR東海を儲けさせたくない◆

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田中優より

「ぼくはJR東海を儲けさせたくない。
リニアをやるのも無能でも儲かる東海道新幹線を得たから。
おかげで今はLCCを使ってでも東海道新幹線を避けている。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「国鉄民営化から30年! 結果としてJR各社の経営はうまくいっているのか」
  http://www.jprime.jp/articles/-/9545 (週刊女性プライム2017.5.8)
 

 JRの中でもっとも営業利益が高いところ、つまり、もっとも儲かっているのは
JR東海である。その額は5,787億円で、日立製作所、ホンダを上回り、ソニーの
2倍にもなる。

 JR東海は利益率が高いのも特徴で、鉄道業では抜群の33%である。東海道新幹
線が営業収益の68%を占めており、東海道新幹線の方が在来線よりも利益率が高
いため、事実上、東海道新幹線で稼いでいるわけだ。
 


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◆小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」◆

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田中優より

「小澤征爾氏のお父さんの話、すごい人だと思います。 
「こんなにはっきり言っていて、よく生き延びられたなぁ」と思うけど、
生き延びられるかどうかは「運」の違いだ。
だから運に頼るより、共謀法を作らせないことが大切だ。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」」(日刊ゲンダイ20174.4.3)
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202513/1 より


 共謀罪の危険性を聞くなら、小澤俊夫氏だろう。筑波大名誉教授でドイツ文学者。
世界的な指揮者、小沢征爾氏の兄、つまり、ミュージシャンの小沢健二氏の父親だが、
今回はこの人自身の父親、開作氏の話から伺った。

 満州に渡り、石原莞爾に共鳴、五族協和を訴えた開作氏は大陸でも帰国後の日本
でも特務機関の監視対象だったのである。

 テロ等準備罪などというが、治安維持法とどこが違うのか。今の安倍政権は日本
をどこへ導こうとしているのか。貴重な戦争体験に基づいた警鐘――。




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◆田中優スタッフおすすめバックナンバー
  『 商品が創る革命 』 ◆

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『 商品が創る革命 』


■新時代のブレイクスルー  


 ぼくが子どもの頃、そろばんが習い事の定番だつた。習い事が嫌いなぼくは逃
げ出してしまったが、達人が暗算するのは今でも驚嘆の目で見ている。しかしそ
の時代はカシオの計算機が全く塗り替えてしまった。その電卓もたちまち値段が
下がり、百均で買えるほどのものになってしまった。そろばんは電卓に消されて
いった。定番の習い事が趣味になってしまった。  

 同じように新たな商品は時代のブレイクスルーになっていく。これまで電気は
原子力で命懸けで作られてきた。少なくとも電気はそれほど価値あるものと考え
られてきたのだ。

 しかし我が家は今、電力会社の送電線につながっていないが電気に困ることは
ない。わずかな太陽光発電パネルと充電装置で電気が自給できているからだ。
そうなってみると、たかが電気に命を賭けるのは異常に思える。



■新たな商品が時代を創る  


 江戸時代、「千歯扱き(せんばこき)」という稲の足踏み脱穀機が生まれた。
別名「後家殺し」、効率が数十倍上がり、後家さんの働き先を失わせたという機
械だ。産業革命の頃には機械のせいで職を失った人たちによる「ラッダイト運動」
という機械の破壊活動が行われたそうだ。今の原発再稼働や原発推進は「ラッダ
イト運動」ではないだろうか。


 新たな商品は新たなライフスタイルを生み、意識を変える。私たちが今進める
べき運動は、時代をブレイクスルーさせる新たな商品の開発ではないのか。
その商品は決して新しくなくていい。  


 古くからある技術に新たな技術を加えて、超高性能な品を創ることもできるか
らだ。ITEという技術は、従来からの鉛バッテリーを何度も再生する技術だ。
これまで環境負荷の大きさから疎まれてきた鉛バッテリーが、再生されるごとに
環境負荷を半減させていく。これをソーラーと組み合わせると、安くて付加価値
の高いオフグリッドが可能になる。これがもう寿命が尽きた技術と思われていた
鉛バッテリーを、文字通り再生させた。



■地方からの発明を  


 電気を使うことが悪なのではない。その発電方法が問題だったのだ。それなら
電気と組み合わせてもっと画期的なものを生み出せないか。電卓はその後、さら
に進化している。

 かつてはコンセントにつなぐものだった。しかし今電卓を使うためにコンセン
トを探す人はいない。あのわずかなソーラーだけで電気は足りるからだ。液晶
という省エネ技術がオフグリッドを実現したのだ。  


 その発想と充電技術の発達を組み合わせたら、将来の家電製品は日が当たれ
ばコンセント不要にすらできるだろう。冷蔵庫はわずか15年ほどの間に97%も
の節電に成功した。 その電力消費量は畳一枚分のソーラーで発電できる。
もし充電装置が発達すれば、畳一枚 分のソーラーを日当たりのいい場所に設置
できればコンセント不要になる。冷蔵庫は将来、屋外に置くのが当たり前の品
になるかもしれない。  


 新たな時代は忘れられている従来技術と、新たな技術の組み合わせから生ま
れるのではないか。プラスチックのエネルギー浪費と環境負荷が見直されて、
木質資源に代わる時代だ。燃料もまた石油、ガスなどの化石資源から木質バイ
オマスに変化しつつある。

 メディアも広告媒体としては斜陽化しつつある。インターネットなら都会で
ある必要がない。  


 つまり条件に恵まれているのは地方になる。さらに地方なら、消費と生産を
一体化させることができる。ここに変化の芽を見る。

  2015年を新たな視座から新たな商品が生み出し、社会を変えていく始まりの
年にできないだろうか。


(2015年開催ライヴアースまつやまへ向けての田中優メッセージより)



<<ライヴアースまつやま2017>> 

今年は10周年!!今年も田中優がトークをさせて頂きます。


日時  2017年5月21日(日) 10時 スタート

会場  城山公園 やすらぎ広場(愛媛県松山市)

TIMETABLE
10:00〜 Steel Band minamo
10:50〜 山本貫介quintetto
11:20〜 空手演武
11:40〜 田中 優(トークゲスト)
12:30〜 阿部芙蓉美
13:40〜 DEWACHEN
14:20〜 田中 優(トークゲスト)
15:30〜 コトリンゴ
17:00〜 スチャダラバー

イベントHP http://liveearth-matsuyama.com/



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・第137号「「主要農作物種子法廃止」にどう対処するか(上)」(4/30号)

・第136号「住まいを快適にするためのヒント(下)」(4/15号)

・第135号「住まいを快適にするためのヒント(上)」(3/30号)

・第134号「地域内ネット・フリーマーケットのすすめ」(3/15号)


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国内外を取材したお話をご紹介します。

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<<2017.1.9発売>>
■文庫本「幸せを届けるボランティア不幸を招くボランティア」
(河出文庫)
http://tanakayu.blogspot.com/2017/01/blog-post_26.html


■「未来のあたりまえシリーズ1
ー電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへー」
(合同出版)
http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=401


■「放射能下の日本で暮らすには? 食の安全対策から、がれき処理問題まで」
(筑摩書房)
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480878663/


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